元コミュ障のコミュニケーション講師 みやたさとし です。
誰しも今までに、一度はこんな言葉を聞いたことがあるかと思います。
話し上手より聞き上手のほうが好かれます。
だから聞き上手を目指しましょう!
コミュニケーション本などを読むと、一冊につき一度はこのような聞き上手を推奨する文章が出てきます。
もちろん、聞き上手が好かれやすいのは間違いなく事実です。
そして内向的な僕たちが目指すべきゴールは、間違いなく「話し上手」より「聞き上手」です。
ただし!
聞くことに専念するあまり「自分の話をまったくしない」というのは問題大アリです。
つまり、コミュ障向きのアドバイスでよく見る「話すのが苦手なら聞き役に徹すればいい」という主張は間違いということです。
それはなぜかというと、
「話す」と「聞く」の理想の割合は3:7 だからです。
なぜ3:7が理想なのか?
その理由についてお話ししていきます。
聞き上手が好かれる理由
まず、「そもそも聞き上手はなぜ好かれるのか?」という話からしていきます。
人は基本的に「自分のことを理解してもらいたい」と思っています。
「他人に拒絶されたい」「ないがしろにされたい」と思っている人なんていません。
仮にそんな人がいたら、ただのドMと思いましょう(笑)。
「自分のことを認めてほしい!」
「誰かに理解してほしい!」
そんな気持ちは「承認欲求」と呼び、人間が持つ根強い欲求の一つです。
一流のアーティストやスポーツ選手、トップ営業マンなど、何かズバ抜けた能力がある人なら黙っていても周りがどんどん認めてくれるでしょう。
でも、もちろんそんな人は世の中でもほんの一握りです。
それ以外の僕たち一般人は、フツーに生活していたらなかなか存在価値を認めてもらう機会がありません。
つまり多くの人は承認欲求に飢えているのです。
逆にいえば、
あなたが他人の承認欲求を満たしてあげられる人になれれば、確実に今より多くの人から好かれるようになります。
では、普段の人付き合いの中で相手の承認欲求を満たすには、どんな方法があるでしょう。
ちょっと考えてみましょう。
一例を挙げると、次の通りです。
- がんばりを認めてもらえたとき
- グチや悩みを親身に聞いてもらえたとき
- 気持ちや価値観をわかってもらえたとき
- くだらない話でも面白がって聞いてもらえたとき
お気づきでしょうか?
ほとんどが「話を聞いてもらえたとき」なのです。
「聞き上手は好かれる」と言われる理由が、まさにこれです。
話し上手で面白い話ができたとしても、相手を一時的に楽しませることはできるかもしれませんが、承認欲求を満たしてあげることはできません。
それができるのは、相手の理解者となって話を聞ける「聞き上手」です。
聞き上手に近づくための方法は、こちらの記事で解説しています。
「そうはいうけど、話し上手なあの人はみんなから好かれてるよ!」
と思う人もいるかもしれませんが、それは「話すのも上手いし、聞くのも上手い」だけのこと。
たとえ話し上手でも、人の話をちゃんと聞けない人と会話しても鬱陶しいだけです(^_^;)
なぜ3割は話す必要があるのか?
と、あなたは思うでしょうか。
実際、本やネットでコミュ障向きのアドバイスを読んでみると「話すのが苦手なら聞き役に徹しましょう」という意見はよく見かけます。
たしかに、その場をやり過ごす「だけ」なら、それも一つの手かもしれません。
でも、その人とより親しい関係になりたいのなら、このアドバイスに従うのはキケンです!
それはなぜか?
ちょっと逆の立場で考えてみてください。
あなたは、自分のことを一切話さない人(=よく知らない人)に対して、自身の本音だったり、抱えている悩みだったり、プライベートなことを安心して打ち明けられるでしょうか?
みずから進んで話したいと思うでしょうか?
…思いませんよね?
そうなんです。
いくら人には「話を聞いてほしい」「自分を理解してほしい」という欲求があるといっても、「相手は誰でもいい」と思っている人はいません。
- 信頼できる人
- よく知っている人
- 私に好意的に接してくれるとわかっている人
に聞いてほしい!
誰しもそう思っています。
つまり、あなたが聞き役になって相手を満足させるには、「あなたの人となりをある程度知ってもらうこと」が必須です。
自分の話をするのは、相手の警戒を解き、より深い話を打ち明けてもらえる人になるため。
「今日も暑いですね」など一見無意味な雑談をするのも、気軽に話しかけやすい雰囲気を作るため。
「話すこと」って、実は聞き上手に近づくための手段でもあるのです!
あなたがオープンになるほど、相手もまたオープンになりやすくなる。
この法則を心理学では「自己開示の返報性」と呼びます。
こちらの記事で詳しく解説しています。
コミュ障さんはもっと話す割合を増やそう
理想の割合は「話す3割 聞く7割」。
この割合はコミュニケーションの本でもたまに見かけます。
そして、その後には必ず「だから聞き上手を目指しましょう」というメッセージが続きます。
もちろん、そのメッセージは正しいです。
「聞く力」のほうが大事であることには僕も全面同意します。
でもこの割合には、話すのが苦手なコミュ障さんにとって別のメッセージも込められていることに気がついたでしょうか。
それは、
「せめてあなたも3割くらいは話しましょうね」
です。
さぁ、あなたは普段、3割近く話せているでしょうか。
きっと中には「やばい!限りなくゼロに近い!」と感じた方もいると思います。
そんな方は、今まで以上に話す量を増やして、自分を知ってもらう努力をしていきましょう!
「話さなすぎてよくわからない人」と思われているかぎり、深い人間関係を築くことはできないのですから。
「話し上手」と言われるレベルになる必要はありません。
笑いのスキルやユーモアセンスも必須ではありません。
「あなたの人間性を伝えること」こそが一番のコツです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
- 「話す3割 聞く7割」がベスト
- なぜ聞く割合が多いかというと、相手の話を丁寧に聞いて理解を示せる人(=聞き上手)が好かれるから
- ただし聞き上手になるには「あなたになら話してもいい」と思われることが必須なので、3割は話すことで自分を知ってもらうことが重要
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