元コミュ障のコミュニケーション講師 みやたさとし です。
このサイトでは、コミュ障さんが抱える様々なお悩みをわかりやすく解決していきます!
【今回のお悩み】
雑談においてもこの2つを使い分けることが大切でしょうか?
質問とは、相手をしゃべらせるスキルです。
だからコミュ障さんが手っ取り早く会話を続けられるようになりたいなら、質問力を磨くのが一番の近道になります。
そんな便利な質問ですが、ネットなどで質問のコツを検索してみると確実に出てくるのがこのノウハウです。
- オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けましょう
- 会話を広げたいときはオープンクエスチョンを使いましょう
というか「質問のノウハウってこれしかないの?」と思うほど、どこのサイトを見ても出てきます…。
なぜなら、楽しく会話するのにオープン/クローズドを使い分けることがそこまで重要とはとても思えなかったからです。
(あくまで「会話・雑談において」なので、ビジネスシーンやコーチング等ではある程度有効と考えています)
実際、僕のコミュニケーション講座ではオープンクエスチョン/クローズドクエスチョンの使い分けについては一切言及していません。
もっと別の基準で「どんな質問だと会話が盛り上がりやすいのか」を分類して教えています。
その分類基準については別の記事で解説するとして、今回は「なぜ日常会話ではオープン/クローズドをいちいち考えなくてもいいのか?」というお話をしていきます。
そもそもオープン/クローズドクエスチョンとは?
と疑問に感じている方もいらっしゃるかと思うので、先にそれぞれの特徴を解説していきます。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンとは、基本的に「イエス」か「ノー」かの2択で答えられる質問です。
「ラーメンは好きですか?」とか「昨日は残業だったの?」という質問がそうですね。
イエス/ノーではありませんが「『きのこの山』と『たけのこの里』ならどっちが好き?」なんて質問も回答範囲が狭く限定されているのでクローズドクエスチョンと言えます。
(ちなみに僕はきのこ派です(笑))
よく言われているクローズドクエスチョンの特徴は以下の通りです。
● メリット
- 答える側は2択なので答えやすい
- 質問側は相手の答えを予想しやすい
● デメリット
- 「はい」「いいえ」など答えが一言で終わってしまうため会話が広がりにくい
- 連発すると、答える側は尋問を受けているような気分になる
これらの特徴から、「会話がはじまった直後のアイスブレイク(緊張をほぐすこと)に向いている」とされています。
オープンクエスチョン
対するオープンクエスチョンは、2択で答えられない自由度が高い質問です。
「何系の料理が好きですか?」「週末は何をして過ごすことが多いですか?」といった質問です。
よく言われているオープンクエスチョンの特徴は以下の通りです。
● メリット
- 得られる情報が多く、会話が広がりやすい
- 相手の情報や考えをより具体的に知ることができる
● デメリット
- 考える必要があるため、すぐに答えが出てこない場合がある
- 連発すると、相手は考えることに疲れてしまう
これらの特徴から「お互いに打ち解けてきてから使うのがよい」とされています。
日常会話でオープン/クローズドの使い分けは不要!
冒頭に書いたように、僕はオープンクエスチョン/クローズドクエスチョンを日常会話で使い分けるメリットをあまり感じていません。
というのも、
そもそもオープンクエスチョン/クローズドクエスチョンって、もとはセールスが発祥だからです。
1925年、アメリカの心理学者E.K.ストロングが書いた本の中でセールスのテクニックとして紹介されています。
コミュニケーションの分野ではセールスやカウンセリングのノウハウをそのまま日常会話に流用して紹介されているケースが多々ありますが、それってちょっと違うと思います。
なぜなら、使う目的が違うからです。
- 日常会話のスキル→楽しく会話するため
- セールスのスキル→商品を購入してもらうため
- カウンセリングのスキル→心の問題を取りのぞくため
ですよね。
先ほどあげた特徴の中で
- クローズドクエスチョンは『はい』『いいえ』など答えが一言で終わってしまう場合ため会話が広がりにくい
- オープンクエスチョンのほうが答え方の自由度が高く会話が広がりやすい
とありましたが…
本当にそうでしょうか?
オープンクエスチョンを使ったところで、すぐに会話が終わるケースなんて山ほどあります。
例えば…
⚫︎ 会話例
で、どうだったの?(オープン)
といった感じに。
逆に、クローズドクエスチョンを使っても会話が盛り上がるケースだって多々あります。
⚫︎ 会話例
友達と『○○』っていう映画見てきたんだ〜。
面白かった?(クローズド)
原作も読んだことあるけど、それと比べると…(以下略)
実際、おしゃべり好きな方と会話すると、こんな感じで「1」訊いたら「3」も「4」も返ってくること結構ありますよね。
- 相手がおしゃべりな人か
- 相手にとって興味のある話題か
- 相手が話したくなることについての質問か
これらの要素のほうが、よっぽど会話の盛り上がり具合を大きく左右します。
オープン/クローズドを使い分けるメリットが全くないとは言いません。
でもよ〜く考えて使ったところで、かけた労力ほどの効果は見込めないのではないでしょうか。
普通に会話を楽しみたいだけなら「細かいことは気にせず、純粋に訊いてみたい質問をしてみればいいんじゃない?」というのが僕の考えです。
オープン/クローズドの特徴の中で押さえておくべきポイントはたった一つです。
- クローズドクエスチョンを連発すると尋問しているようで会話が盛り上がらない
- オープンクエスチョンを連発すると相手は答えを考えることに疲れてしまう
=そもそも質問を連発すべきではない
これさえ押さえておけば十分です。
「ここはオープンとクローズドどっちで質問するべき?」
「この訊き方じゃクローズになっちゃうから、オープンに言いかえると…?」
そんな細かいことをいちいち考えるのは、もうおしまいにしましょう。
会話を盛り上げる質問ができるようになりたいのなら、それよりも考えるべき基準があるのです!
その基準については、別の記事でじっくり解説していきます。
ついつい質問を連発してしまう人は、こちらの記事もお読みください。
まとめ
- オープン/クローズドクエスチョンはそもそもセールス発祥のテクニック(=日常会話で使い分けるメリットは少ない)
- それよりも大切なのは、質問を使って相手が興味のある話に誘導すること
- オープンであれクローズドであれ、質問は連発しないこと
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